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シェーン

 「シェーン」

製作年: 1953年

製作国:アメリカ

監督: ジョージ・スティーヴンス

出演者: 

(シェーン)  アラン・ラッド

(マリアン・スターレット)  ジーン・アーサー

(ジョー・スターレット)  ヴァン・ヘフリン

(ジョーイ・スターレット) ブランドン・デ・ワイルド

(ウィルスン)  ジャック・パランス

「ストーリー」はキネマ旬報・映画データーベースから

頃は1890年。初夏。ワイオミングの高原に1人の旅人(アラン・ラッド)が漂然とやってきた。男は移住民の1人ジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)の家で水をもらい、家族の好意で1晩泊めてもらうことになった。

男は名をシェーンと名乗った。妻マリアン(ジーン・アーサー)、1人息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)と3人暮らしのジョーは、かねて利害の反する牧畜業者ライカーに悩まされていたので、冬まででも働いてくれないかとシェーンに頼んだ。

シェーンは、何か心に決めたことがあるらしく、町の酒場でライカーの手下から喧嘩を売られたときも、相手にならなかった。図に乗ったライカー一味は、シェーンが再び酒場に現れたとき、また彼に絡み、今度は彼も応えて乱闘が始まり、シェーンはジョーの応援を得て群がる相手を叩き伏せ、酒場を引き揚げた。

怒ったライカーはシャイアンから人殺しの商売のウィルスンという男を呼び寄せ、移住民の1人、短気なトリーがウィルスンのピストルの最初の犠牲となった。

ライカーに農場の明け渡しを要求され、農民一同のために命を捨てる決心をしたジョーは単身敵の酒場に乗り込もうとしたがシェーンがそれを止め、肯ぜぬジョーを殴って気を失わせて、マリアンに別れを告げた。

馬に跨って敵地に歩みを進めるシェーンの後ろ姿をジョーイ少年が追った。酒場で、さすがのウィルスンも一瞬早いシェーンのピストルに斃れた。殆ど同時に3発目の弾がライカーを倒していた。

酒場を出ようとするシェーンの後を狙ったライカーの弟も一瞬のうちに命を失った。酒場の表に立つジョーイに、立派な男になれ、といって、シェーンは馬にのって去って行った。その後ろ姿に呼びかけるジョーイの叫び声が、ワイオミングの荒野にこだまして………。

Sien

☆☆☆ 観おわってから ☆☆☆

「シェーン」を初めて観たのはリバイバル上映の時。ヴィクター・ヤングが作曲した音楽の方は、映画を観る前からラジオで何度か聴いていた。今回、DVDを借りて40年振りに「シェーン」を観た。

シェーンはたまたま通りがかったスターレット一家で一夜を過ごさせてもらい、翌日もスターレットに人手が欲しかったこともさることながら、一方シェーンも行く当てのない身上で結局スターレット一家に居付くことになる。

スターレットなどの開拓農民よりも先にこの辺りの土地で根付いていたのがライカーという悪徳牧畜業者。映画は要するに、このライカーと開拓農民とのトラブルから対決にまで発展して行く過程を描いたものである。

ライカーは用心棒に早撃ちガンマンのウィルスンを雇い、農場の明け渡しを迫る態度は露骨に脅迫じみたものになる。スターレットはライカーと酒場で話し合うことになるが、呼びつけたライカーの方は最初から殺して、けりを付けるつもりだ。

スターレットが単身で乗り込むところをシェーンが止め、殴り合いまでになってピストルの柄でスターレットの頭を強打して気絶させる。代わって酒場に乗りこんだシェーンと用心棒ウィルスンの対決。この決闘シーンが「シェーン」の最大の見どころである

ところでシェーンを演ずるアラン・ラッドは腕っぷしは強いのに、小柄な俳優ということもあって、乱闘シーンの殴り合いでは背の高い相手に伸び上って腕を振るっている所作が面白い。

主役としての活躍期間は短く、その後は陰りさえ見えてノイローゼになり、睡眠薬多用で50歳で亡くなったそうだ。一方、用心棒を演じたジャック・パランス、この俳優は長命で「バットマン」に出演しているのを見たことがある。

「シェーン」の見どころは他に、やはりスターレットの息子との交流。それからスターレットの妻マリアンに寄せるほのかな想い、マリアンの方も同様にシェーンを慕い、お互いに胸の内に秘めた触れ合いも、この映画の魅力だ。

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