« 草原の輝き | トップページ | 存在の耐えられない軽さ »

アパートの鍵貸します

製作年: 1960年

製作国:アメリカ

監督: ビリー・ワイルダー

出演者: (C・C・バクスター) ジャック・レモン      

      (フラン・キューブリック) シャーリー・マクレーン      

      (ジェフ・D・シェルドレイク) フレッド・マクマレイ

「ストーリー」はキネマ旬報 映画データベースより 

ニューヨークのさる大保険会社の一平社員バクスター、通称バド(ジャック・レモン)は、野望に燃える青年である。勿論出世のことである。その方法は、4人の課長にアパートの鍵を貸すだけで充分だった。

4人はアパートをせっせと愛用し、バドの昇給にせっせと尽力した。 そこに人事部長のシェルドレイク氏(フレッド・マクマレイ)も加わった。部長のよろめきの御相手は会社のエレベーター嬢フラン(シャーリー・マクレーン)。

バドはこの丸ぽちゃで適当にグラマーのフランに片想いしていたので、少なからずショックだった。 社員のクリスマス・パーティでフランのコンパクトを見たバドは、頭にくる。数日前バドのアパートに置き忘れられたので、バドが部長に返却申しあげたものと同一だったのである。

酔ったバドが年増の金髪美人を連れてアパートに帰ると、そこでフランが自殺をはかっていた。 離婚をした暁にはきっと君と…、と言うばかりで実行しないシェルドレイク氏の不実に絶望し、バド愛用の睡眠薬を全部飲んでしまったのだ。

金髪美人を追い帰して、必死に看病するバドの心はフランを想う気持ちで一杯だった。 翌朝、一大決心をしたバドは、部長にフランとの結婚を打ち明けようとする。その瞬間、部長は離婚が成立し、フランと結婚する旨をバドに宣告する。

すべては後の祭りだった。人の気も知らない部長は、またもアパートの鍵の借用を申しこんできた。カンニン袋の緒を切ったバドは、辞表を叩きつけて会社を飛び出す。 その夜、フランは部長とレストランへ。

そこで今夜はアパートは使えない、と聞いたフランはハッと気がつく。バドの優しい想いと、自分を本当に愛しているのは誰か、ということを。部長を置き去りに、フランはバドのアパートの階段をかけ上がった。

その耳にズドーンと銃声が。もしや自殺!? 部屋に転がり込んだフランの目に映ったのは、他の町での再出発をひとり淋しく祝ってシャンペンの栓を抜いたバドの姿だった。重役になれるかどうかは別問題。だが、バドの独身生活に栄光ある終わりが近いことは、確かなようである。メデタシ メデタシ。

Apato

☆☆☆ 観おわってから ☆☆☆ 

ジャック・レモンの出演した映画で一番印象に残っているのが「グレートレース」。1965年公開のコメディ映画だが、公開時に銀座の映画館で観た。抱腹絶倒するくらいに面白く、その後も思い出しては気にしていた映画だが、二度と観る機会がなかった。

コメディなので映画としては低く評価され、そのせいもあっていつも利用するレンタル屋ではDVDを並べていないようだ。ところで通販などでは購入できるような様子。志村けんが出演していた嘗てのバラエテイ番組でのパイ投げを御存知だと思うが、「グレートレース」では大掛かりにやっていた。

さて、「アパートの鍵貸します」でのジャック・レモン。大手保険会社のしがない平社員を演じ、当然のことながら出世を夢見ている。一計をめぐらし、上司に気にいられようとして考えついたのが自分のアパートを恋人との密会用に提供することだった。

四人の課長にはそれぞれ恋人がおり、いつの間にかその事情を察してそこに加わったのが人事部長だ。権限のある部長にへつらえば昇進は確実な早道になる。ところが人事部長の不倫相手はジャック・レモンがひそかに想い寄せているシャーリー・マクレーン。

シャーリー・マクレーンは同じ会社でエレベーター・ガールを演じ、ジャック・レモンとは軽口を交わす間柄。人事部長はこれまで、ことあるごとに不倫相手を変え、誠意などは感じられない最低の男だ。

そのことをシャーリー・マクレーンは人事部長の秘書から告げられる。秘書は自分も前は部長の愛人だったと。 シャーリー・マクレーンは悲嘆にくれて自殺未遂を起こし、部長の方も秘書の告げ口で夫人から離婚を迫られる。

部長は離婚を契機にシャーリー・マクレーンに結婚をほのめかし、ジャック・レモンにも以前同様にアパートの提供を迫る。 だが、ジャック・レモンはこの申し出をはっきりと断り、せっかく手にいれた地位を投げ打って会社に辞表を出す。

このことを知ったシャーリー・マクレーンは部長とクリスマスを祝っていた席をけってジャック・レモンの住むアパートへと急ぐ。

話は変り、部長役を演じていたフレッド・マクマレイ。見たことがある、見たことがある、と「アパートの鍵貸します」を観ながらずっと気にしていたが、中学生の頃に30分ほどのテレビ番組「パパ大好き」でのパパ役でした。

車道から広い芝生の中に舗装でもしているような細い通路がパパの家の玄関まで通じ、サラリーマンのごく普通の一軒家なんでしょうが、この事でアメリカの豊かさを思い、子供ながら当時はあこがれでした。

« 草原の輝き | トップページ | 存在の耐えられない軽さ »

映画・テレビ」カテゴリの記事